ぼくらとエロの○○な関係。TISSUE BOXのキービジュアル

第一線で活躍する総勢22名のアーティスト、文化人、クリエイターに「自身とエロの関係」について聞いていく。 はたして、彼らにとって「エロ」とは?

ヨッピーさんの写真

これまで数々のヒット記事を世に産み落としてきたWEBライターのヨッピーさん。おバカなエンタメ記事だけでなく、社会派な記事や自ら体を張った調査記事など、さまざまな切り口の記事を提供してくれるのも彼の魅力のひとつです。そんなヒットメーカーのヨッピーさんは「エロへの好奇心」が自らを成長させたと語ります。エロへの好奇心なくして、今のヨッピーさんは存在しなかった。果たして一体どういうことなのでしょうか。

エロへの興味が自分を進化させてきた

−はじめまして。今日はエロをテーマにいろいろお聞かせください。よろしくお願いします。

ヨッピー:はい、よろしくお願いします。いきなりだけど、オナホ使ったことあります?

−え? オ、オナホですか? そ、そうですね……使ったことありますが……。

ヨッピー:そう。なら安心した。エロの取材なのにオナホ使ったことない人がライターだったら荷物まとめて帰ってやろうかなって思ってたから。

−よ、よかった。いきなり踏み絵みたいな話ですね。

ヨッピーさんが手ぶりをつけて話をする様子

ヨッピー:オナホを1度も使ったことないやつって、好奇心が死んでるんです。かつてニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、万有引力を発見したわけですよね。今、ニュートンが生きてたら「オナホってどうなんだろう?」って言いながらオナホを使ってるはずです。「これって一体どういうことなんだろう」っていう好奇心が我々人類を進歩させてきたじゃないですか。「オナホを1度使ってみたけれど、なんか違ったから今後は使わない」っていうのならまだわかるし、そもそもエロに対する興味がないっていう人も別です。けど、普段ゴリッゴリにちんちんをしごいてるくせにオナホを1度も使ったことないっていうやつは「進化がない人間」なんです。それは人類にとっていらない存在で

−あの、もうちょっとマイルドにお願いできますか?

ヨッピー:ごめん。要は人間の人間たる所以って、道具を使っているか否かが肝心じゃないですか。人類は道具を進化させ、扱う事によって自分達も進化してきましたからね。ちんちんを手でしごくなんていう何千年前の文化をいまだに引きずってるなんて、そんなの類人猿じゃないですか。ちなみに君、VRはちゃんと経験済みだね?

−はい。一応VRのアダルト作品も見たことがあります。

ヨッピーさんの横顔の写真

ヨッピー:なら問題ないか……いや、自分自身を拡張できるVRというアイテムに手を出さない人間なんてね、一度精密検査をしたほうが

−そこまでエロに対して厳しいのはどうしてなんですか?

ヨッピー:これまでの人生で、エロへの興味が自分自身を成長させてくれたからですかね。

学生時代、友だちが持っていたパソコン用のエロゲーがめちゃくちゃやりたかったんですよ。でも僕はまだパソコンを持ってなくて。そこで親に「これからはコンピュータの時代だよ、家にコンピューターがないと時代に取り残されてしまうよ」って説得して無理やり買ってもらったんです。

−すごい営業力ですね……。たしか当時のパソコンって何十万もしましたよね。

ヨッピー:そうそう。で、パソコンを買ったはいいけど、モザイクやマスキングを排除するためにはいろいろいじらないといけない。そのためにいろいろ勉強しました。今思えば人生で「拡張子」というものを知ったのもエロがきっかけでしたね。お気に入りのエッチな画像を印刷しながら「JPEG画像は画面上では綺麗だけど印刷のときガビるから拡張子変えたほうがいいな……」とか。そんな風に色んなことをエロがきっかけで覚えていったんですよ。

だから、スケベなくせにエロステクノロジーへの興味関心が薄いやつっていうのは進化の歩みを止めてると思ってて。一度精密検査をしたほうが

ヨッピーさんの写真

学者と同じ探究心でエロを追求

−エロへの好奇心によって得たものを教えていただけますか?

ヨッピー:いろいろあるけど……。昔、友人たちと沖縄の島とうがらしを罰ゲームで使おうってなったんです。食べるだけだと芸がないから、いろいろ試してみようって。で、僕が自分の乳首に島とうがらしを塗ったんです。すぐに効果が出るかと思いきや全然痛くならなくって、「なんだ、面白くないな」って思ってたら、時間差でめちゃくちゃ痛くなって。急いでシャワーで流して氷で冷やしても全然痛みが治まらないし、パンパンに腫れてもう真っ赤。で、しまいには乳首の感覚もなくなって、「これ神経死んだかも」って。

−それは恐ろしいですね(笑)。

ヨッピー:で、「神経が死んだー!」って焦ってたらその場に居合わせてた女の子が「本当に神経が死んでるの?」って僕の乳首を冗談で触ってきたんですね。ちょんって。それがひざから崩れ落ちるくらい気持ちよかったんですよ。死ぬどころか逆に鋭敏になってたんですね。それを僕、「乳首の向こう側」って名付けたんです。「乳首の向こう側が見えた!」って。

−(笑)。それって山に生えているきのこをはじめて食べる学者と一緒ですね。

ヨッピー:本当にそう。何が毒で何が食べられるかわからないのに食べたくなっちゃうっていう。そういう衝動ってありますよね。ウニを最初に食べたやつとか絶対頭おかしいじゃないですか。でも、そのおかげで人類は進歩してるんですよきっと。だから僕はいつでも、島とうがらしを乳首に塗る側の人間でいたいなって。

ヨッピーさんが窓から顔を出している写真

−なんか良い話っぽく感じてきました(笑)。ヨッピーさんってライターになる前からそんなことをやってきたんですか?

ヨッピー:そうなんです。僕は基本的に10代から変わっていない。でも昔から僕のエロや面白いことにかけるエネルギーが過剰みたいで、仲間内から時々浮いちゃって。僕がやりたい事に周りがついてきてくれないんですよ。

ヨッピーさんが腕組みをしている写真

−周りとの温度差を感じたエピソードって何かありますか?

ヨッピー:会社員時代、休日出勤したら彼女にフラれたばかりの先輩も出勤していたんですね。なんか可哀想だったから元気づけてあげようと思って、先輩の写真を勝手に合成して、SMの女王様に縛られている写真に加工してポスターにしてあげたんです。「これを街中の電柱に貼りに行きましょうよ。新しい彼女が出来るかも」とか言って。そしたら割とウケてくれて、ひとしきり盛り上がったあと「こんなことしてる場合じゃないな」ってお互いの仕事に戻ったんです。

そして月曜日に会社に行ったら、なにやら重役たちがその先輩のデスク周りに集まっていて。どうやら例のポスターを見つけた重役たちが「これは悪質ないじめだ」って話し込んでるんです。そのポスターをいやがらせのために作ったんじゃないかと。「休日中の入出記録を調べろ!」みたいなおおごとになってて。で、これはまずいと「僕が遊びでやったんです。陰湿ないじめじゃなくて先輩もゲラゲラ笑ってました」って伝えたら、会社にめちゃくちゃ怒られましたね。ああ、なんか会社員って合わないなって思った覚えがあります。あれだけ笑ったんだから大目に見てよ、って。

ヨッピーさんが頭に手を添えている写真

−ライターになってからも、国会議事堂の前でのオナニーなど過激な記事をオモコロでやってましたよね。それって面白いと思えることが研ぎ澄まされていった結果ですか?

ヨッピー:全然研ぎ澄ましてないですよ。もしかしたらコンビニのアイス売り場のケースに入って炎上した男の子たちと同じだったかもしれない。当時のWEBは今と比べていろいろゆるかったから、今やったら確実にアウトだなってものもあるし、僕も年齢を重ねたので。もうさすがにそういったネタをやると悲壮感がすごいので控えめにしてますけどね。ただちんちんを出すのは今でも大好きです。

−そういう過激なことをするのって、どんな気持ちからなんですか?

ヨッピー:規制がいやなんですよ。ルールがあるせいで、余計に腹が立つ事ってあるじゃないですか。電車の中で電話するのはやめよう、とか。あのルールがあると電車で電話してる人がいたら「あの人はルール違反だ!」って腹が立っちゃいますけど、そもそも、ああいうルールが無ければ別に誰も気にしないと思うんですよね。そんな感じで、なんでいまだにモザイクがあるんだろうとか、ソープランドも国が認めちゃえばいいじゃんとか思うくらいで。仕組みをちゃんと作れば成立すると思うんですけどね。

ヨッピーさんの写真

−エロもそれ以外も好奇心の赴くまま、ヒットメーカーとして記事を量産されてきたヨッピーさんですが、これから目指していきたいところはどこなんですか?

ヨッピーさんが顎に手を添えて話をしている様子

ヨッピー:今考えているのは「組織で動こう」ですね。僕が企画を考えて、それをライターさんに書いてもらう。そうやって面白い記事をもっと世の中に出していきたいなって。最近、僕名義の記事本数自体は減ってるけど、関わってる仕事は格段に増えてきてますね。普段から僕の悪口ばっか言ってるアンチみたいな人が、僕が考えてライターさんに書いてもらった記事見て「最高!」とか言ってると「ざまあwwww」みたいな。やっぱり個人で出来る事には限界があるので、最近はそうやって組織として動く事が増えてます。

−じゃあ若きライターたちがヨッピーさんの魂を受け継ぐわけですね。

ヨッピー:そんな大げさなことじゃないけど、世の中に面白いことがどんどん増えていけばいいなって思うだけです。そのためには組織を作るしかないなぁって。

ヨッピーさんがティッシュボックスからティッシュを取り出している写真

(文章/川越未満 カメラ/なかむらしんたろう 編集/サカイエヒタ)