「Accept subjectivity」ディテール 2018年 円盤にインクジェットプリント、木製ボックス H160×W160×D40cm
「Accept subjectivity」ディテール 2018年 円盤にインクジェットプリント、木製ボックス H160×W160×D40cm

FANZAとストリートファッションブランド「#FR2」のコラボギャラリー「FANZA×#FR2@#FR2 GALLERY 2」で開催中の、本格派アーティスト5人による連続個展「Find Your Fantasy」。10/18からは、第五弾となる三嶋章義さんの個展が始まる。映像やグラフィックによる独自の空間表現を行う三嶋さんの本展での試みについてうかがった。

――今回の展示用に「フェナキストスコープ」という映像装置を作られているということですが、どのようなものなのでしょうか?

三嶋:19世紀の最初期のアニメーションで使われていた、回転する円盤に描かれた絵をスリットごしに覗くことで絵が動いて見える装置です。20世紀は映像の世紀と言われましたが、FANZAが提供する映像は、その最新形のひとつ。記録することで時間というものの概念を変えた「映像」の起源を振り返る意味も込めて制作しています。

「WTF −対話を無くした性に愛を感じない女−」ディテール 2018年 円盤にインクジェットプリント、ホログラムシート、木製ボックス H65×W65×D30cm
「WTF −対話を無くした性に愛を感じない女−」ディテール 2018年 円盤にインクジェットプリント、ホログラムシート、木製ボックス H65×W65×D30cm

――これは実際に体験してみるのが楽しみですね。具体的にはどんな作品が展示されるのでしょうか?

三嶋:それぞれ異なる形式の三作品を出します。一つは、暖簾越しに覗き込むような仕掛けになっています。その先の空間から男の主観を超えてこちらを覗くバーチャルな女性と目が合うようなイメージです。もう一つは、心の通じ合わない性行為にうんざりした女性のアニメーション。どちらも、男女の性愛をテーマにしています。そして、展示のメインとなるのは、曼荼羅のような大作になります。

――展示空間全体が、一つの作品のようになりそうです。

三嶋:円盤の覗き穴を覗き込む鑑賞者の様子も、また展示の一要素になるでしょう。アニメーションに流れる「時間」、そこに描かれる「性」、媒体である「映像」と、その空間全体を俯瞰しても楽しめるインスタレーションとして考えています。

――人間の根源的な感覚を追求するという三嶋さんのこれまでのテーマにも通じますね。今回の展示の表題である「ファンタジー」は、三嶋さんにとってどのようなものでしょうか?

三嶋:ファンタジーは、個人の主観的な妄想だと思われがちですが、客観的な外部の物事がこちらの無意識に影響を与えた結果出来上がっているもの。性的な行為や想像を「秘め事」というように、心の奥底の根源的なところに秘められているんじゃないでしょうか。大切なことはそれらの心を共有することであって、それによって、現実の時間にファンタジーを浮上させることだと思います。

「HOL −対話を無くした性に欲を求める男−」ディテール・イメージ 2018年 円盤にインクジェットプリント、木製ボックス、暖簾 H65×W65×D30cm
「HOL −対話を無くした性に欲を求める男−」ディテール・イメージ 2018年 円盤にインクジェットプリント、木製ボックス、暖簾 H65×W65×D30cm

――その言葉通り、ミステリアスな雰囲気の展示になりそうです。三嶋さんは普段からアートに限らない活動をしていますが、今回の「性」、「アート」、「ファッション」のコラボレーションについてはどう感じましたか?

三嶋:性とは動物本能的な欲求である分、現代の社会においては個人的な秘められたものになっています。秘められていく過程で生まれたのが、ファッションであり、アートなのではないでしょうか。この機会にそんなことを考えられました。いずれにしても、これまで直球で「性」をテーマにしたことがなかったので、面白い挑戦ができたと思っています。

三嶋章義 1978年生まれ

グラフィックデザインを学び、平面、空間、映像のアートディレクション、ファッションブランド FUGAHUMの立ち上げ、FUJI ROCK FESTIVALなど、様々なイベントでのVJなど、ジャンルの垣根がない制作活動をおこなう。2006年以降、現代美術作家として国内外で作品を発表。NANZUKA(東京)、Galerie Nagel Draxler(ベルリン、ケルン)所属。多様化した現在で感じづらくなっているモノゴトに目を向け、眠っている潜在的な感覚を考察し、人類に残すべき選択肢を増やすことを制作活動の目的とする。